素敵・・・ホワイトバレンタインね。 こんな大雪で素敵なわけがあるか! チョコも貰ってねえし!! とても恥ずかしそうに、彼女の顔は朱に染まって、少しだけためらうようにして言った。 「特別な思いがこもったチョコだから・・・」 そして、俺に一つのチョコレートを手渡してくれた。 嬉しかった。 人生をやり直しそうになるほどの困難を乗り越え、俺はやっとここまで漕ぎ着くことができたのだから。 俺にとって、彼女は特別だったから。 彼女にとっても、俺は特別な存在なんだって。 そんな関係になれたことが、俺は嬉しかったんだ。 誰もが羨むような、ハッピーエンドになる。 俺は、そう信じてた。 だけど・・・。 卒業式の後、彼女は来なかった・・・伝説の木の下に。 ああ・・・俺は振られてしまったんだなと。 呆然としたまま悟った。 言ったじゃないか。 「特別な思いがこもったチョコだから・・・」 って・・・。 その言葉に込められた思いは・・・。 そのチョコレートに込められた思いは嘘だったのか? 楽しかった思い出は、すべてが空虚なものとなって・・・。 俺はまた・・・。 「一緒に帰って、友達に噂とかされると恥ずかしいし・・・」 そんな冷たい言葉を突き付けるような、思いやりも何もない関係から始めなくてはならないんだ・・・。 だけど、俺は何度でも言うんだ。 中央公園の中の、満開の桜の下。 「まるで恋愛小説の一場面みたいだね」 って。 きっと君は顔を赤らめて、楽しそうに同意してくれるから。 そんな瞬間がとても嬉しくて、楽しくて、俺は君を追いかけ続ける。 気高くて美しい桃色の髪を持つ君が、いつか振り向いてくれると信じて・・・。 俺はチャレンジし続けるんだ。 簡単に言うと、藤崎詩織は絶許ってことです。 まあ女友達の誘いを断る時に 「残念ながら俺様は忙しいのだ」 って言う主人公もどうかと思うけどね。 ʅ(✧≖ _ゝ≖)ʃ <アディオス!! PR